点検の実施義務

自家発電設備の法令改正

1年に1回、『保全策点検』『内部観察点検』『負荷運転点検』のいずれかひとつを選択し、点検を実施することが義務づけられました。※下記のいずれかに該当する場合は『保全策点検』を選択することはできません。

  • 前年度に負荷運転または内部観察、保全策のいずれも行っていない場合
  • 5年以内に負荷運転または内部観察を行っていない場合
  • 最後に負荷運転または内部観察を行ったのが5年以内であってもその間に一度でも保全策を行っていない年がある場合

点検の目的

図のように、火災が発生した際に、自家発電設備から各消防設備に十分な電力を供給するための発電出力と性能を確認する点検です。

点検の目的

各種点検内容

保全策点検(部品交換)

【1年ごとに確認すべき項目】
・予熱線
予熱線の発熱部に断線、変形、絶縁不良などがないことを確認する。
・点火栓
電極の異常な消耗がないこと、プラグギャップ部が製造者の指定値範囲であること、異常な燃焼残渣物の付着がないことを確認する。
・潤滑油プライミングポンプ
プライミングポンプが正常に作動していることを確認する。
・冷却水ヒータ
冷却水ヒータケース外周または近傍の配管などに触れ、その他の部位より温度が高いこと、テスタにて冷却水ヒータの断線などの有無を確認する。

【製造者が設定する推奨交換期間内に交換すべき部品】
1.潤滑油
2.冷却水
3.燃料フィルター
4.潤滑油フィルター
5.ファン駆動用Vベルト
6.冷却水用などのゴムホース
7.燃料、冷却水、潤滑油、給気、排気系統や外箱などに用いられるシール材
8.始動用の蓄電池

内部観察点検

【過給機コンプレッサ翼およびタービン翼並びに排気管などの内部観察】
過給機のサイレンサーおよび過給機ダクトを取り外し、コンプレッサおよびタービン翼の内部を確認する。
→コンプレッサ翼およびタービン翼に運転に支障をおよぼす塵埃(じんあい)や燃焼残渣物などの付着していないこと、損傷や欠損がないことを確認する。
※異常がある場合には清掃などにより除去する。

過給機を取り外した部分から排気管内部を確認する、(過給機がない場合は、排気管出口の可とう管継手などを取り外して内部を確認する)
→排気管や排気ダクト内部に運転に支障をおよぼす未燃料や燃焼残渣物などが付着していないことを確認する。
※異常がある場合には清掃などにより除去する。

【燃料噴射弁などの確認】
燃料噴射弁を取り外し、作動、噴射させて、噴射状態と噴射圧力を確認する。
→燃料噴射弁の試験器を使用して
「燃料の開弁圧力が製造者の指定範囲であること」
「噴射口に詰まりがなく、燃料の噴霧状態が均一で微細に霧化されていること」
「燃料噴射弁先端から燃料の液だれがないこと」を確認する。
※異常がある場合には燃料噴射弁の開弁圧力の調整、清掃などを行う。

【シリンダ摺動面の内部観察】
シリンダヘッドを取り外し、シリンダ摺動面などの内部を確認する、または燃料噴射弁を取り外し、取付穴から内視鏡を挿入し内部を確認する。
→シリンダライナ摺動面に運転に支障をおよぼす損傷や摩擦がないことを確認する。

【潤滑油の成分分析】
オイルパンなどから潤滑油を必要量抜き取り、潤滑油の成分を確認する。
→「動粘度」「燃料希釈分」「塩基価」「金属成分」「水分」などが製造者の指定値範囲内であることを確認する。

【冷却水の成分分析】
ドレインコックなどから冷却水を必要量抜き取り、冷却水の成分を確認する。
→「PH」「全硬度」「電気伝導率」「蒸発残留物」などが製造者の指定値範囲内であることを確認する。
※成分分析の結果、指定値範囲外の項目がある場合には、異常がある部位に清掃、修理、交換などの必要な措置を講ずる。

負荷運転点検

【点検方法】
疑似負荷試験装置、実負負荷などにより定格回転速度および定格出力の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認する。

【判定方法】
・運転中に漏油、異臭、不規則音、異常な振動、発熱などがなく、運転が正常であること。
運転中の煙突から吐き出される排気色が極端な黒色、白色でないことを確認すること。
運転中に原動機排気出口より、消音器を経て建物などの外部に至るまでの排気系統に排気ガスの漏れのないことを確認する。

・運転中の記録はすべて製造者の指定値範囲であること。
※疑似負荷装置の設置については、容量、設置場所、仮設給排水方法、仮設ケーブル敷設、危険標識設置、監視員の配置などについて、電気主任技術者および防火管理者と十分打ち合わせを行って実施すること。

負荷運転前に、施設全般にわたり次の事項を確認すること。
1.機器点検における始動試験の始動前の確認事項。
2.原動機と発電機のカップリング部のボルト、ナットに緩みがなく、フレシキブルカップリングの緩衝用ゴムにひび割れなどの損傷がないこと。

負荷運転後に次の事項を確認すること。
1.負荷運転の終了後は、スイッチ、ハンドル、弁などの位置が自動始動運転待機状態になっていることを
確認すること。
2.消費した燃料、冷却水が補給されていることを確認すること。

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